美術館に訪れたときのこと。
白い壁に数点の作品、広い空間の中に贅沢に配置された作品には息をのむほどの存在感を感じます。
ちょっと物足りないくらいの感覚でものや情報を減らしてみると、
大事に残ったものの存在感だけが急に浮かび上がってくるときがあって、
これで十分だと思えることがあるのです。
「足るを知る」とも言われますが、余白があるということは、他を取り入れないことではなく、大事なものの存在を浮かび上がらせるために必要なこと。
多くのものや情報の中から厳選することも時には必要ですが、最も琴線に触れたものだけ残す。
それ以外は余白としてとっておくことで、今そこにあるものからの余韻が広がっていきます。
何かを大切に味わうとはそういうことではないでしょうか。